コンテスト参加記○

2000 6m&DOWN コンテスト


 今年も6m & DOWN コンテストに参加しました。
3年目の正直、今年もシングルオペ電信マルチバンド部門へのエントリーです。

目標

 何はさておき、エリアレコード更新です。昨年、苦杯をなめていますので、今年は何が何でもコレです。
今年も太字で赤く書きます。
2エリアレコードを作る!
 うーーん、今年も大胆な発言だ。
ちなみに2エリアレコードというのは、1987年にJF2AHPが出した「469x114=53,466」というスコアです。当時は1200MHzが市郡マルチだったようですが、1980年代としては出色の出来ですなぁ。マルチでこれを上回るのは過去2回の経験から、かなり厳しいと思われるので、局数で何とかしてしまうしかありません。
 私が掲げた目標は「535x105=56,175」 マルチは100越が大きな壁になるようですが、昨年のような50MHzBIG OPENがあれば何とかなるんじゃないか?と考えたわけです。昨年も空振りCQはかなりあったので、局数の増加は控え目に見積もりました。

作戦

 昨年と同じことをやっても昨年のスコアは上回れない訳です。これは昨年も考えたことです。
 設備的にはもう飽和していると思います。いや、もっと大きなアンテナ上げれば良いのではないか?という声が聞こえてきそうですが、もうコレ以上の設備にしたら、設営が大変です。
そこで、どうしたら良いか? 移動地を変えれば良いのです。つまりより良い移動地を探すことにしました。
 私にとっての「より良い移動地」とは・・・
・ロケが良いこと。
・場所取り争いがないこと。
・自宅から2時間程度で行けること。

 遠笠山はロケが良いんだけど、場所取り合戦が熾烈だしなぁ・・・

 昨年のFDコンテストで「担ぎ上げコンテスト」の味をしめました。小さな設備でもロケさえ良けりゃなんとかなるってことです。そこで思いついたのが「玄岳の山頂まで担ぎ上げる。」 うむ、壮大な計画だ。エリアレコードを奪取するにはふさわしい計画ではないか。これを実行することにしました。山頂じゃ、さすがに誰も来ないだろ?

 また、目標を達成するために、以下のような区間目標と給油タイミングを計画しました。

時刻 50 144 430 1200 2400 TOTAL
21:00 開始
00:00 70 50 20 153
04:00 就寝 140 70 50 10 275
05:00 起床 給油
08:00 170 90 60 10 12 342
12:00 給油 220 120 80 15 18 453
15:00 終了 260 140 100 15 20 535
MULTI 43 22 15 17 105

 シナリオも考えておきましょう。昨年、144MHzから始めたスタートダッシュがうまくまとまったので、今年も144MHzから始めることにします。そこから次々と上の周波数へとQSYしていき、22:00前頃に50MHzに戻ってきます。レートが落ちないうちに50MHzでランニング開始。この辺りの開始直後の時間は1200/2400MHzにも局がいるのでそれなりに埋めておきます。日が変わる頃に西にビームを振り、FAIとグランドウェーブで西のマルチを埋めます。同様に144/430MHzでも西のマルチを埋めます。マルチと局数を両立させながら、04:00までつないで、ここで休息。1時間ほど寝た後、給油して、朝も西のマルチを埋めつつ局数を伸ばします。07:00を回った後辺りから、1200/2400MHzのアクティビティーが上がるので、この辺りもチェックしつつ、局数を伸ばします。08:00頃からは50MHzのEスポも要注意です。あとは、50MHzのコンディション次第ですな、各バンドを回りながら15:00を迎えることにします。

 まぁ、こんなプランでうまく行くのかな? 果たしてエリアレコードを達成できるのか?

下見

 玄岳近辺では移動運用したことがありますが、山頂に担ぎ上げたことは1度もありません。そこで下見とあいなります。登山口はJQ1AHZ高橋さんに教えてもらいました。いつも運用している駐車場のすぐ横だそうです。
 5月14日、下見に出かけてみました。今回は下見ということで、野営の設備が不要なので、ちょっとだけ贅沢な担ぎ上げにしました。IC-706mk2に24Ahバッテリー、それに"ver.Tenshi"です。
 いつも運用していた現地の駐車場に着いてびっくり。観光地化されてるじゃないの! 今までは道沿いの砂利駐車場だったのが、完全に整備されてしまっている。観光バスも止まってるぞ。これじゃ、移動運用どころじゃないです。

駐車場の様子

 ってことで、移動運用するにはもう担ぎ上げるしか手が無くなったってことか。
 山頂へは15分ほど歩いて到着です。途中、若干、急なところもありましたが、そんなに苦ではありませんでした。到着してのんびりしていたらJQ1AHZ高橋さんもやってきたので2人で移動運用をすることにしました。

運用している様子

 現地で設営して早速CQを出すと、これが呼ばれること呼ばれること。1エリアのパイルアップになってしまいました。田方郡はザコかもしれないけど、韮山町は珍しいのかもしれない。玄岳は、山頂で田方郡韮山町、同函南町、熱海市の3点に分かれているようです。この時は韮山町で運用しましたが、本番では熱海市で運用することにします。

設備計画

 担ぎ上げということで、いくつか問題が発生します。
まず、どれだけの荷物を持っていくことができるか?

 下見では15分弱で登頂でした。往復でも30分掛かりません。昨年、宝永山に担ぎ上げたのが2時間半。もしも2時間半掛ければ、5往復もできます。しかし、5往復もしたら大変だぞう! そこで、漠然と3往復という目標を立てました。1回辺りの荷物が30kgだとすれば、総重量90kgまでは運ぶことができます。
 宝永山へは軽量発電機Eu9iが活躍しました。これはJM1LTA池野さんのものだったのですが、私も購入することにしました。これで、発電機の重さは半減です。

 伊豆半島のこの場所では、近接局のQRMもすごそうと考えられので、思いきって固定機を持って行くことにしました。この時点で「本気?」ってなってしまいそうですが・・・。FT−736にトランスバーターを付ければ、50〜2400MHzのオールモードにオンエアできますが、これではデュアルワッチができません。そこで、JST−245も持って行くことにしました。うむ、大胆だ。他にも144MHzや430MHzのオールモード機を持っていこうと思ったのですが、やっぱりやめておきました。

 アンテナも昨年の2系統作戦を敢行できる自信がありません。(重さの面で) そこで、全てビームアンテナとして、1系統のみとしました。

 担ぎ上げなのでローテーターの使用は断念しました。同軸ケーブルは昨年と同じです。

コンテストに向けて

 いろいろ不安はありましたが、部屋の中で設備一式を組み立て、それをパッキングする方法を取ります。忘れ物防止策です。
 昨年の宝永山移動の設備があるので、テントはそのままです。今、これを書いていて気がついたのですが、そう言えば寝袋を持っていくのを忘れています。実際、寝袋は使ってないのですが、これを書くまで気がつきませんでした。
 金曜日は、夜に仕事の打ち合わせが2件も入ってしまいました。その後もお客さんから電話があり、積みこみ開始は実に22:30。積みこみ終了時には日が回っていました。

出発

 場所取りの心配が無いので、土曜日の朝に出発することにしました。07:20自宅出発。09:30には現地下の駐車場に到着しました。途中、滝知山にも寄ってみましたが、誰もいませんでした。伊豆スカイライン上はいつものように霧が濃い。でも、雨は降っていません、梅雨時なので雨を心配したのですが、それは回避されました。

担ぎ上げじゃ!

 09:40、まず第1回目担ぎ上げ。背負子に荷物を載せて出発!

 1回目は、発電機や燃料などを持って行きました。

1回目の荷物

 天気は霧、風は強風。さすがに荷物を持っていると担ぎ上げは堪えます。しかし、この天気はむしろラッキーだったと思います。なぜなら、風が強いから涼しいのです。炎天下の担ぎ上げより数倍マシで、体力の消費も少なくて済んだと思います。
 それでも、すぐに疲れてしまい、途中の木の下で休んでいました。しばらくして呼吸が整った所でまた出発。もう少し、もう少しと思うのですが、なかなか山頂は遠い。山頂に近づくにつれて風がどんどん強くなっていきます。こんなんで設営できるの?
 それでもなんとか到着! 風が強いので設営は諦めて、現場に荷物を置いて背負子だけを持って帰ります。荷物の載ってない背負子の軽いこと軽いこと。

 2回目は、無線機を1台、それに周辺機器のつまったプラスチックボックス。

2回目の荷物

 2回目は少し慣れてきたか?それでも、結構辛いので。この後に待っている食事のことを思い浮かべながら担ぎ上げをしました。

 2回目の担ぎ上げが終わり、下山すると、JQ1AHZ高橋さんがやってきました。ちょうど良いタイミング。いくつか情報交換をしました。

JQ1AHZ登場
JQ1AHZ高橋さんです!

 ところで、なんで、食事が楽しみだったかと言うと、外食をしようと決めていたからです。玄岳から数キロ南下した亀石峠にはドライブインがあるので、そこまでドライブです。担ぎ上げのときはジャージ姿だったのですが、この時は着替えて、それでも普通の格好に着替えてドライブインまで行きました。
 ここのドライブインでは、カツ定食を注文。1300円也。少し高価かな? でも、コンビニ弁当よりも随分マシでしょ? 店内は落ち着いた雰囲気で、フレンチポップなんかが流れています。亀石峠の辺りは天気も良く、窓からは東伊豆の海が見えています。なかなかいいじゃない。担ぎ上げの途中の食事とは思えん。できたてのカツはやっぱりうまいぞ。
 食べ終わった後、ドライブインの売店を眺めていたら、「イズノスケグッズ」がいくつか売られていたので、サブレを買ってしまった。このイズノスケってキャラクター、かわいいんだよ。
 そういや、今回はユンケル買うの忘れているな・・・と思ったら、「無臭にんにくドリンク」なんてのが売られていたので、これもGET。なぜか「目覚ましドリンク」も売られていたので、これもGETしときました。


左から
イズノスケサブレ、無臭にんにくドリンク2本、目覚ましドリンク

 車に戻り、サブレを食べながら、モービルから6mをワッチ。Eスポは北海道、九州、共に結構開けているみたい。50.108MHz近辺でもパイルアップがあったから、マルチホップの北米も聞こえているみたい。(モービルホイップではさすがに御本尊は入感せず。)

 さて、玄岳まで戻ってまた担ぎ上げです。天気は好転しているようで、玄岳近辺でもそんなに曇ってはいませんでした。風も弱くなったようです。


快適なドライブ

 そして最後の担ぎ上げ。忘れ物がないかチェックして、いざ出陣!

最後の荷物です。

設営

 3回目の担ぎ上げも無事終了しましたが、山頂はまだまだ風が強く、設営するのもためらってしまいます。アンテナはどうしようもないので、とりあえずテントを張ることにしました。しかし、風が強くてテントが言うことを聞いてくれません。風に飛ばされそうなんです。でも、どうにかこうにかテントを設営しました。目を離したすきに飛んで行ってしまいそうなので、とりあえず荷物をガサゴソ入れてしまいました。ペグを打ったら結構安定したけど、それでも、かなり風に揺られていました。

 まぁ、ここまで来たんだからと、無線機もセッティングしました。テントは1人用の小さなものですが、横一列に設備を並べると、ちょうど寝るスペースがぴったりできる感じでした。

これが今回のシャックです。

 次はアンテナ設営しかやることがないので、風が弱くならないかなーと思いつつ、アンテナを組み立てました。とりあえず山頂に来そうな人は誰もいないので、目一杯展開して、アンテナを記念撮影してみました。


設営前のアンテナ達
頑張ってくれよ!

 あー、風が弱くならないかなーとテントでうだうだしていたりすると・・・なんと山頂に人影が!!
 誰かと思えば、JG2CEZ鈴木さんじゃ、ありませんかー!

JG2CEZ登場!
JG2CEZです。

 確かに、今回は担ぎ上げでコンテスト出るよって行ったけどさー。ここに来る道は何も説明してないし、よくもここをみつけられたねぇ。かなりびっくり。「伊豆スカイラインを走っていたら、TSLの車を見つけて、その近辺を探ったら登山道らしき道があったんで登って来た。」とのこと・・・。ところで、上の写真で風の強さが良く分かるよねぇ。
 しかし、これ以上に良いタイミングはないじゃん。アンテナ設営を手伝ってもらうことにしました。CEZの「こんなに風強くて大丈夫なの?」という声と共に。まずはUHFマストを立てたのですが、あまりに風が強いので,高さを縮小しました。430/1200MHzが2mhくらい、2400MHzが2.5mhくらいかな。こんな風でアンテナが立つもんか?と思ったのですが、ステーを張ったら見事に安定しました。ステーの威力は絶大なり。ペグも短いものなのですが、柔らかい地面にもよく馴染んでいるようで、簡単に打ちこめる割には引っ張っても抜けるようなことはありませんでした。
 VHFマストは高さがあるのですが、これも規模縮小して5mhとすることにしました。(本当はもう1段あって、7mhにすることができた。) しかし、風が強い! CEZはこんな風でアンテナを立てるまいと思ったのか、1度下山してしまいました。この時にJH0SPE 山田さんの新婚旅行のおみやげをいただきました。vy TKS。
 アンテナは元々は1人で立てようと思ったのですから、1人で立ててみることにしました。風上方向に予め2方向にステーを張っておき、風の強さを利用してマストを一気上げしてしまいます。これが案外うまく行き、思ったよりも簡単にアンテナが立ってしまいました。風が1方向だけからしか吹いていないのが幸いでした。CEZが再び戻ってきましたが「えっ? 一人で立てちゃったの?」と驚いていました。
 それにしても極細エレメントの50MHzの5elは、風圧でVビームになってるぞ。


今回使用したアンテナ
左・・・UHFマスト
 2400MHz 29el loop(MAKI)
1200MHz 26el Yagi-Uda(MAKI)
430MHz 15el Yagi-Uda(マスプロ改自作)
右・・・VHFマスト
50MHz 5el Yagi-Uda(自作"ver.Tenshi")
144MHz 7el Yagi-Uda(マスプロ改自作)

 せっかく立てたからと、各バンドをワッチしてみました。2400MHzではJA1IGYビーコンがフルスケールで入感しています。よしよし。1200MHzはCEZが良く聞いているという調布レピーターにアクセスしてみました。うん、59だ。2エリアのどこかのレピーターも同時にアクセスできました。430MHzは少し静かな感じではありますが、1エリアのモービルが良く聞こえます。50MHzではEスポで8エリアが良く聞こえていました。
 アンテナはちゃんと生きているようだ・・・(と、ここでSWRのチェックをしなかったのが、あとで悲劇を生むのだが。)

コンテスト開始まで

 18:00になり、霧も濃くなってきて、段々と辺りが暗くなってきました。CEZは帰ることになったので、またもや山頂にひとりぼっちになりました。
 とりあえず、コンビニ弁当を食べることにしました。あ〜あ、担ぎ上げのときに揺られたおかげでおかずとごはんがごっちゃになってやがる。まぁ、おいしくいただきました。

 18:30。取りあえず、各バンドでCQを出してみることにします。
まずは2400MHz。まずは7K3OHU/1小田原市移動が呼んできました。強いけど、アンテナが風で揺られているので少しQSBがあります。次にJA1LLX/1金綱さんが呼んできました。59ぴったりくらいだったのですが、QSO中にビームを修正したら、59++まで信号が上がりました。栃木県からの電波とは思えないほど強くてびっくり。いつもA1でQSOしていただいているので、今回も貴重な2400MHzのマルチを御願いしました。
 次に1200MHz。ここもをJE2UWN/1、7N2KBBとQSOできます。1エリアはばっちりです。
19:00を回り、430MHz。なんかバンドをワッチした感じ、静かな感じがします。こんなに430MHzの局って減っちゃったの? まぁいいやと思い、CQを出すと、7M4RKS,7M4QMF,JG1SXNとQSOできました。このバンドもばっちり。
 そして、144MHzに移るわけですが・・・

トラブル発生!!

 まずは144MHzのSWRを計ってみようと、SWR計をつないで、キャリアを出して・・・。!!!SWRが3以上もある!!! でも、まだコンテスト開始まで2時間弱あります。なんとか修理しなければ!

 まずは同軸ケーブルの接触を疑います。コネクタをグリグリ動かしたりしてみますが、SWRは高いままです。それでは、アンテナ側のコネクタがちゃんとささってないのかと思い、アンテナを倒して見ることにしました。マストのトップに50MHzのアンテナが上がっていて、144MHzはマストの途中から垂直支持ブームでつけてあります。このマストを倒して、144MHzのアンテナを外してみます。アンテナそのものには特に異常が無い模様。取りあえず、「アンテナが悪いのか?、それとも同軸が悪いのか?」を判断するため、アンテナをマストから外して予備の同軸ケーブルに交換してみることにしました。が、しかし、予備の同軸ケーブルが見当たりません。辺りは段々と暗くなってきて、懐中電灯無しでは辺りが見えにくくなってきました。うーん、見当たらない。仕方が無いので、給電部のフォールデッドダイポールだけを外して、テントの中に持ちこみました。50cmほどの短いケーブルでSWR計につなぐと、SWRはちゃんと落ちているのが確認できました。ってことは同軸ケーブルか・・・。さらに予備の同軸ケーブルを探しますがどうにもこうにも見当たりません。試しに・・・と思い、今まで使っていたケーブルを使用してフォールデッドダイポールに給電すると、なぜかSWRが低い。なんで??と思い、給電部をヤギにくっつけてSWRを測定すると、ちゃんとSWRが落ちている。なんなんだ!??

 元のセッティングに戻そうと、マストを見ると・・・50MHzのアンテナのリフレクターが曲がっている!! あちゃーー。ま、いっかと思って、リフレクタを手でぐいと曲げて、元に戻してアンテナを建ててしまいました。144MHzのアンテナのSWRを計ると、今度は1.1.全く問題がありません。やれやれと思って、外を見ると、50MHzのリフレクタの片側がない!!! エレメントが強風に耐えきれず、先ほど、無理矢理パイプを曲げてしまったのが堪えたのか、折れて飛んで行ってしまったようです。どうにもこうにもブルーな気分になってきました。風はかなり強く、エレメントが飛んで行ったら、ずーーっと、風に乗って遠くまで飛んで行きそうなのです。風の方向は一定なので、その方向を重点的に探します。辺りは高さ50cmほどの草原のようになっていて、その中に入りこんだらみつかりそうもありません。飛んだ瞬間も見ていないので、一体どこに飛んでいったやら分からん。
 10分ほど探しましたが、諦めました。ま、リフレクタが無くてもSWRさえ落ちてりゃなんとなるか、と思い、50MHzのSWRを計ると1.8ほど。まぁ。これなら良いかと思い。バンド内を聞くと、しっかりビームは出ているようです。西の方向はどうかな?と思い、アンテナを回しますが、アンテナが回ってくれません。と言うのも、144MHzのアンテナがステーにぶつかって回転しないのです。それじゃ、ステーの張り方を変えるかと、邪魔になるステーの位置を変えようとしたら、
マストが倒れてきた!!

 なんで? その時はさっぱり理由が分かりませんでしたが、良く考えて理由が分かりました。思えば、いつの間にやら強風が止んでいるのです。風が無くなったのは願い通りなのですが、今までは、この強風による力もマストの重量バランスの一部を担っていたのです。風無き今、そのバランスが崩れ、風上側のステーを少し引っ張っただけで、マストは倒れてしまったのです。

 心配なのは50MHzのアンテナ・・・と思い、50MHzのアンテナを見ると、それは無残な姿。折れているエレメントはリフレクタだけでは済まされません。5本のエレメントのうち、4本が曲がってしまいました。もう泣きたい気分です。時計を見ると、もう20:00を回っています。なんで、こんなに悪いことが続くものか?

 いや、こういう悪いことは続くものだ・・・ここでこの流れを止めなくてはいけません。3往復も担ぎ上げをしたことを思い出しました。ここで折れたら全ては終わり。「面白いじゃないの! この状態でも何とか元に戻してコンテストに参加するぞ!。」 一つずつリカバリーします。

 工具を探しにうろうろしていると・・・先ほど飛んで行ってしまったリフレクタがあるじゃないの! 何か希望が見えた気分です。無残な姿になった50MHzのアンテナを見ると、折れているのは給電部以外のエレメントで、なぜか給電部だけはしっかりしています。これならなんとかなるかもしれない・・・エレメントを1つすつ直して行きます。エレメントは曲がっているのではなく、根元からぽっきり折れているのもあるので、そのエレメントは20mmほど長さが短くなってしまいます。これは、もうver.Tenshiじゃないな。でも、5本のエレメントはちゃんとついているもんね。ビニールテープはあと少ししか残りがありません。使いきるまで使ってエレメントを補強してアンテナをくみ上げました。もうかなりよれよれ。それでも組みあがって、マストを起こします。もう風が無いので。結構起こすのが大変でした。(風があった方がそれを利用できるので楽だった。)

 50MHzのSWRを計ると、1.2くらい。やっぱりリフレクタ無しの状態よりもかなり良いですね。今度はステーもしっかり張ります。辺りは霧が濃い・・というか雲の中にいる状態なので、全身ぐじゃぐじゃに濡れてしまった。風がまた強くなってきて、アンテナを回すのがまた大変になってしまった。でも、運が良い(?)ことに、風に任せておくとアンテナは1エリアの方向を向きます。

 でも、これでなんとか全ての設備が整いました。時計は20:40。何とかコンテストに間に合った! 早速、直った144MHzで周波数を確保することにしました。バンドエッジの144.050MHzを確保成功。CQを出すと、JF1FEVが呼んできました。今回も貴重な@17のマルチを御願いしますよ! みたいなことを打って、ファイナルを送る。次に7M1LOTに呼ばれる。この人もよくコンテストに出ている人だなぁ。ちょうど良い時間でファイナルを送れそう。20:58にQSOを終了して、あとはVVVだのCQCQだの打っていました。時折、?とかQRL?とか聞こえますが、何とか周波数確保成功です!

コンテスト開始!

 21:00を回るとCQを連打。出だしはそんなに良いという感じではありませんでしたが、とりあえず呼ばれはじめます。そこそこのペースで局数を重ねます。今年はアンテナ系統が1系統しかないので、ここは局数重視で1エリアビームでやりました。と言うか、風が強いのでアンテナが自動的に1エリアに向いてしまうのですが。(でも、風の方向が丁度1エリア方向でホント助かったぁ。) それでも、15分で19局9マルチ。なかなかいいんじゃないの?
 とりあえず、430MHzにQSY。CQを連打しますが、全然呼ばれない。1局だけ呼ばれた所で、「このバンドは効率が悪い。」と判断して早々に21:20には1200MHzにQSYしました。ここには数局のCQが聞こえたので呼んでみます。パイルになっていないから返って効率が良さそう。この後、自分でもCQを出してみたら、3局だけ呼ばれました。
 そして、21:29に2400MHzにQSY。A1でJA1KIとだけQSOできた。その後、FMに移って「おねだり作戦」を決行。この周波数はマルチの宝庫の筈。なのだが、CWに対応できる局が少なく、苦労してしまう。ログには10分以上の空白。2400MHzはダメだ!
 1QSOだけで21:44に50MHzにQSY。ここはいきなり呼ばれ始め、途切れることが無い。やっぱし、コンテストはこうでなくっちゃ。快調なペースで飛ばした。

50 144 430 1200 2400 TOTAL 昨年のTOTAL
22:00 21(21) 19(19) 1(1) 7(7) 1(1) 49(49) 52(52)
昨年よりも出だしは良くないが、そこそこのペース。
ニューマルチ 21:00-22:00
50 14,10,12,11,16,13,18
144 10,09,14,11,13,17,18,15,12
430 11
1200 14,10,13,18
2400 1002
22

 50MHzは1エリアビームで、7エリアがたまに混じって呼んで来る程度。合間にビーコンチェックをするが、昨年のようにこの時間のEスポはないようだ。
 22:15頃から50MHzでCQを出している裏で2400MHzの同時ワッチを始める。FMで出ている局をつかまえては、「おねだり作戦」 クラブ局とシングルOPでも電信電話マルチにエントリーしている局には比較的対応してもらいやすいようだ。なんとかこの周波数でも3局2マルチ。しかし、そこまで。同時ワッチの周波数を1200MHzに移して、1局だけGET。
 22:43に、1局しかQSOしていない430MHzに移って呼びに回ることにした。一通り呼びに回った後、CQを出したけれども、これが全く不発で、呼ばれない。
 続いて、22:55には144MHzにQSYして呼びに回る。

50 144 430 1200 2400 TOTAL 昨年
23:00 68(47) 24(5) 10(9) 8(1) 4(3) 114(65) 85(33)
50MHzでとばしたおかげで過去最高ラップ達成。
ニューマルチ 22:00-23:00
50 07,06,21,19
144
430 10,14,13,16
1200
2400 1420,17008
10

 144MHzで再びCQを出すと、それなりに呼ばれるので、ペースが落ちるまで留まった。
 23:24から10分間は430MHzで呼びに回ったりCQ出したり。
 23:36から50MHzに戻って数局、呼びに回る。この時間だと、QRMも少なくなりつつあるようなので、西にビームを向けてみる。テントの外に出ると、まだまだ風が強く、ビームが定まらない。西にアンテナを向けても、すぐに風に押されて1エリアにビームが向いてしまうのだ。仕方がないので、144MHzのアンテナの先にロープをつけた。その先に背負子を重しにしてアンテナが回らないようにしてみた。この作業に案外時間が掛かりタイムロスしてしまった。しかし、アンテナを西に向けた後は、案の定、FAIが良好で、次々とマルチが増える。

50 144 430 1200 2400 TOTAL 昨年
00:00 83(15) 40(16) 17(7) 152(38) 137(52)
ニューマルチ 23:00-00:00
50 15,37,31,43,45,33
144 07,16
430
1200
2400

 

第1チェックポイント

00:00 50 144 430 1200 2400 TOTAL
目標値 70 50 20 153
実際 83 40 17 152

 バンド内訳は違うものの、ほぼ目標達成。気になるのは2400MHzの局数か。

日が変わる  

 西方向のコンディションは良好のようで、50MHzでCQを出してもニューマルチに呼んでもらえたりする。昨年のロケと違って、今年は西方向に何にもないので、ここは強気で行けるみたい。これなら、144/430MHzの西のマルチも期待できる!?
 00:30頃から50MHzCQの裏で144MHz同時ワッチを始めた。早速、8J3JFX/3@27をみつけてGET。144MHzの西のマルチも気にしだす。しかし、50MHzもそれなりに呼ばれているので、なかなか144MHzのチェックをしている合間が無い。
 少し50MHzのペースの落ちてきた00:50に思いきって144MHzにQSY。早速マルチが増える。

50 144 430 1200 2400 TOTAL 昨年
01:00 125(42) 50(10) 17 204(52) 173(36)
50MHzを中心に進めるとペースが上がる。
案外早く200をクリア。
ニューマルチ 00:00-01:00
50 23,17,40,25,44,20,09,35,30,27
144 27,21,20
430
1200
2400
13

 144MHzで西方向のマルチを気にしだしたら、それなりにマルチが取れた。144MHzでCQ、50MHzで呼び回りにして、ペースを保つ。
 たまに430MHzを覗くのだが、CQを出している局は同じ局ばかりで、QSOする相手がいない。ビームを西に振ってみるのだが、何故か3エリア以西が聞こえない。妙にノイズレベルが低いので、ひょっとして無線機壊れてないか・・・?
 それでも、2エリアのマルチさえ埋まらないのは釈然としないので、144MHzにいたJK2VOCにQSYを御願いして430MHzの@21をGETした。福田さん、グラッチェ、グラッチェ。QSYした直後から「JK2VOC DE JG2TSL/2」を連打したら、他の局もそれを聞きつけて、自分がQSOした後にすぐにVOCを呼び出した局もしました。
 03:13にはJR2VWYで430MHzの@20もやっとでGET。QSBが深くて了解しずらい。こんなんじゃ3エリアなんか出来ないぞ。うーん、無線機の受信が調子悪いのかなぁ。

 03:55に50MHzでCQを出して、呼ばれた!と思ったら送信ができない。どうやら、電源事情が悪化したようだ。つまり、発電機の燃料切れ! エコ運転させていたのだが、7時間半で燃料が無くなってしまったみたい。慌てて、給油。元の周波数でCQを出そうと思ったけど、もう他の局が使っていた。
 04:00に呼びに回っていると、なんとJR8VSEを発見。なんで、こんな時間にオープンするのさぁ!? 昨年、一昨年と違い、今年の50MHzでは夜のEスポがなかった。しかし、なんでまたこんな早朝に開けるのか? 北海道はマルチの宝庫。頑張って他の局を探す。JR8OGB/8を発見! しかし呼びに回っているほうだ。すぐ上の周波数を確保して、CQを出して無事捕獲成功。しかし、ニューマルチにはならないのが残念。頑張って他のマルチも探すのだが、他の局は聞こえてこない。そうこうしているうちにJR8VSEも弱くなってしまった。局地的かつ短時間のオープンだったようだ。数局、呼びに回ったが眠くなってしまったので、休息を取ることにした。

50 144 430 1200 2400 TOTAL 昨年
02:00 138(13) 71(21) 18(1) 239(35) 203(30)
03:00 160(18) 79(8) 23(5) 274(35) 233(30)
04:15 185(25) 85(6) 31(8) 313(39) 258(25)
寝るまでのアドバンテージは昨年+54。
ニューマルチ 01:00-04:15
50 22,28,08,26,103
144 25,28,19,29,35
430 12,21,18,20,09
1200 10,
2400 100110
20

第2チェックポイント

04:00 50 144 430 1200 2400 TOTAL
目標値 140 70 50 10 275
実際 178 85 31 306

 50/144MHzが好調で目標を上回った。しかし、430MHzが奮わない。

起床

 ここで重要なのは、「ちゃんと起きる。」ことだ。昨年はここで2時間近く寝てしまったために、ここまで築いたアドバンテージを無くしてしまったからだ。電波時計でアラームをセットして床に付いたのだが、少し肌寒い。少しウツラウツラとしたらすぐにアラームが鳴ってしまった。気合を入れて起きて再開! 睡眠時間は40分弱。

 50MHzをワッチするが、Eスポは開いていない。寝ぼけながら同時ワッチで各バンドで呼びに回る。
 05:00。144MHzでランニングに入るが、それなりに呼ばれるじゃない。
 05:20にはビームを西に振ってみる。JR5PDX/5@37に呼ばれる。おお、四国とできた! もう1局聞こえたなぁと思ってQRZ?。なんとJF6ZUU/6に呼ばれた。コピーに手間取ったがなんとかコピーして@45のマルチをGET。144MHzで九州のマルチを取ったのは初めての経験だった。
 その後も144MHzで西のマルチが埋まって行く。ビームが西を向いていてもそれなりに1エリアにも呼ばれるので、それなりに効率が良い。

 06:00。430MHzでも西のマルチが取れるはず!と思って、430MHzも西を向けてワッチ。しかし、1エリアしか聞こえない。西向けでCQを出してみるが、うむむ、1エリアにしか呼ばれないぞ。段々ペースダウンしてきたので、06:26に1200MHzにQSYしてみる。CQを出している局が数局いて、局数を伸ばす。

 06:43、50MHzでみつけたJA3YPV/3に144MHzQSY要請を出して、無事QSO成功。144MHzの@26をGETする。VY TNX!

 06:58、50MHzで西向けにCQ。1エリアに混じって3や4に呼ばれる。合間を見て2400MHzを同時ワッチ。この時間帯から2400MHzの局も増えてきて、「おねだり作戦」 2局とQSO成功。
 2400MHzでJF2KRH/2を発見しておねだりしてみるが、「低周波発信器ないんだよねぇ」って返事。うーん、でもさらにおねだりしてみる。それじゃ口笛でどう? 早速吹いてもらうが、うーん、音を拾ってないのか、良く聞こえない。「音の出るもの探しておくから後で呼んでね」と取りあえずは73。30分後にまた呼んでみると、「良いもんみつけちゃった」という返事。何だか想像がつかないが、「ジジジジ」という音の連続でCWとして聞こえる。ということでなんとかかんとかQSO完了。このやりとりで時間をロスしてしまうが、貴重な1マルチなんです。

 各バンド、西ビームを中心にQSOを重ねる。ビームが西を向いていても、実際は1エリアとのQSOが多いんだけれども・・・。430MHzもかなり西ビームで攻めたのだが、何にもニューマルチに結びつかない。どうなっちゃってんの?
 西がだめなら・・・と1エリアにビームを戻してしまった。

 この時間になると、天気予報とは裏腹に晴れになってしまって、テントの中の温度も上昇気味になった。少し暑いがなんとかしのげる程度か。風もあまりない。

50 144 430 1200 2400 TOTAL 昨年
06:00 192(4) 112(27) 34(1) 350(32) 266(5)
07:00 200(8) 114(2) 46(12) 12(4) 376(26) 295(29)
08:00 211(11) 121(7) 48(2) 12 7(3) 399(23) 312(17)
今年は寝過ごさなかったもんね。
ニューマルチ 04:54-08:00
50
144 37,45,23,33,39,26
430
1200 11
2400 110301,15003,18009
10
144MHzのマルチの延びがめざましい。

第3チェックポイント

08:00 50 144 430 1200 2400 TOTAL
目標値 170 90 60 10 12 342
実際 211 121 48 12 399

 50/144MHzの力ずくで局数を引っぱっている感じ。しかし、430MHz以上が不調でマルチも少ない。

Eスポ開いてくれ〜!

 08:00を回り、Eスポが気になってきた。JR6ビーコンが聞こえていたので、沖縄の局を探すがみつからない。CWにはアクティビティがないのかな?と思い、1エリアビームでCQを出した。(後からの情報では、沖縄のCWの局もしっかりいたし、この時間、静岡市では北海道が開けていたそうだ。)
 しかし、スポット的なEスポにはめぐり合えたようで、08:30に7J7ADB@02、08:34にJR7RJZ@03と呼ばれて2マルチ増えた。その後、08:42にJH8SLS@106に呼ばれたが信号は不安定。おお!北海道だ!と思い、バンド中をワッチするものの、他には聞こえない。

 その後、50MHzのオープンの兆しが無い。と言うか、バンド中に強い信号がひきしめあっていて、弱い信号を取るのが少し辛い。それでもクリアな周波数をみつけてはCQCQCQ。それなりのレートを維持できる。

 しばらく50MHzでランニングしたが、ペースが落ち気味なので09:30に144MHzでCQ、50MHzで呼び回りに体制を変える。144MHzもそれなりのペースで呼ばれる。

 それにしてもテントの中は恐ろしく暑くなってきた。昨日の暴風はどこへ行ったことか、風も無く、陽射しも強い。10:25にJA1ZGO/1におねだりして2400MHzCWをGETするが、トラバタのVXOを左に回しきってもまだ周波数がずれている感じ。あまりの暑さに、無線機の局発が動いてしまったのだろうか? ひどいFズレだ。

 10:44、50MHzにいたJN1ZFK/1をつかまえて430MHzへQSY要請。430MHzの@15をGETする。

 それにしても暑い。テントの中にいるのが苦痛で、コンピューターのCQのキーを押したら、すぐにテントの外へ脱出してへた〜となっていた。テントの外に出ると、外気に接するおかげで一瞬涼しい。が、次の瞬間に強い陽射しを感じまたほてってしまう。昨日までの天気でハイカーもいないので、山頂は独り占め。と、思いきや、一人だけやってきた。おおっと、恥ずかしい所を見られちまったぜ。ところで、この人、山頂で発電機回っているのを見てどう思ってんでしょ?

 それはそうと、朝から何も食べてないや。持ってきた乾燥食料、クッキーやカロリーメイトを全て食べることにした。というのも疲労もすごくて、しかも眠い。このままではばててしまうと思ったからだ。というかばてていたのだが。食料を口にするも、噛む力が無い。幸いにも水はあったのでガボガボと飲む。すると汗が一気に噴出してくる。

 そのまま寝てしまえば気持ち良いなぁ。暑いけど、下は芝生だし・・・。しかし、気力を振り絞ってCQのキーだけは押す。だから、この時間帯は弱い局に呼ばれても分からなかったかもしれない。だって、CQ出しても、眠くてまともに受信できていないもの。くじけてしまいそうになったら、持ってきた資料を取り出して、過去の記録を見る。そうすると、またやる気が沸いてくる。「ここでくじけたら負けだ。今のペースはまぁまぁ良いから、そのまま完走できればエリアレコードだ! がんばろう!」

 気力を振り絞ってCQCQ。そうすると、他のことが見えなくなる。50MHzのコンディションはEスポしか気にしていなくって、たまにビーコン周波数をチェックするくらいだった。

 11:30、JF3LCH/3を発見して50MHzの@24をGET。これで50MHzの3エリアのマルチが全て埋まった。
 11:47、JI6AYNに呼ばれて50MHzの@46をGET。げ! Eスポじゃん。と思って、西向けでワッチするが、他の局は聞こえない。強い信号がひしめきあっていて弱い信号がつぶされている状況は変わらない。それに暑さで細かい行動がおざなりになっていたのは否定できない。この時間、もっとこまめにワッチしていれば・・・。

50 144 430 1200 2400 TOTAL 昨年
09:00 234(23) 121 53(5) 12 8(1) 428(29) 327(15)
10:00 265(31) 133(12) 55(2) 12 473(45) 369(42)
11:00 277(12) 136(3) 61(6) 12 9(1) 495(22) 394(25)
12:00 305(28) 137(1) 62(1) 12 525(30) 422(28)
昨年+100のレートを維持。
ニューマルチ 08:00-12:00
50 02,03,106,24,46
144
430 15
1200
2400 100105,1009
Eスポのマルチ増加はわずか・・・

第4チェックポイント

12:00 50 144 430 1200 2400 TOTAL
目標値 220 120 80 15 18 453
実際 305 137 62 12 525

 あと3時間を残して500QSOをクリアした。時間辺り30QSOをこなしていけば600に届く。それにしても、50/144MHzとそれ以上の周波数の差が大きい。

あと3時間

 12:00を回って残り3時間。暑さで思考能力が低くなっていた。ここで最後の給油も行う。
 とりあえず、QSOの少ない430MHzでCQを出してみようと、CQを出してみる。しかし、全く呼ばれない。おかしいな?と思い、バンド中をワッチするも何も聞こえない。常連局さえも。ここで、430MHzの無線機の不調に気づく。全く受信できていない。暑さのせいか、FT−736の430MHzはおかしくなってしまったようだ。もう430MHzはリタイアだ。思えば、西のマルチが全く聞こえなかったのも無線機の不調のせいなのか。
 マルチを取るなら2400MHzだろうと思って、2400MHzFMをワッチしていた。JA1KIさんのF2のCQが聞こえていたのでしばらく聞いていたら、JK1UVL/1が応答した。うむ〜、この局釣り上げられないかな?と思い、周波数を探す。かなり上の周波数になってしまったが、空き周波数をみつけてCQを出す、2回、3回・・・、うーん、呼んでこない。諦めてダイアルを回すと、20KHz下でQSOしている最中だった。チャンス!と思って、またもとの周波数に戻ってCQを出す。2回、3回・・・呼んでこない。諦めようかな?と思ったら、一瞬、無変調が聞こえたので、QRZ?と打ったら無事呼んで来てくれた。貴重な1マルチをGET。

 これでやっとで87マルチ。まだ90マルチにも手が届かない。50MHzで北海道のマルチは埋まらなかったのが大きい。しかし、まだ時間はある。CQを出してもレートが悪くなりだす。

 あと2時間少し。マルチを探すのは少しリスクが伴うが、一定のペースで呼ばれるほうが堅い組み立てはできる。と判断して、12:53に144MHzにQSY。そんなにペースは上がらないが、それなりのレートで呼ばれる。暑さのせいと、あと少しという焦りで同時ワッチを怠ってしまった。CQを出したら寝ているような状況だもんね。

 13:20、50MHzでJH4RNYを発見。1エリアビームなのに強いなーと思って、ビームを西に向けることにした。すると、信号がそんなに強くならない。しかし、西のEスポなのかな?と思い、西ビームで続けることにした。
ここでついに50,000点を突破!

 144MHzでCQを出していると、JL2HIWが呼んできた。途端に「QSY430MHz」と打ってきたので、応じると、ローカルの皆さんがごぞって呼んできた。なんだか組織票をもらっちゃったみたい。430MHzもFMは生きていたようで、F2でQSOしてしまった。ついでに1200MHzでも組織票をGET。焦っている所にこれは嬉しかった。VY TKS! ついでに、この組織票の間に一昨年のスコアを上回った。自己記録突破だ。エリアレコードが見えてきた。もう局数を増やすことしか頭に無い。

 13:50に50MHzにQSY。裏で430MHzで2QSO。430MHzの無線機はちょっと復活した? そういえば、辺りの気温も少し下がってきたみたい。

 50MHzに留まったのだがレートが下がってきたので、14:30に思いきって144MHzにQSY。1エリアに向けてCQを出すと、それなりに呼ばれる。
 14:33にJA7KDCに呼ばれる。この時点でまだ144MHzの宮城県のマルチが無かった。「御願いだから、06って送ってきて!」と念じたら、本当に@06だった。これが最後のマルチになるのか? この時点で「605x87=52,635」が「606x88=53,328」となる。エリアレコードまであといくつか!? あと2QSOだ!!! 本当にありがたいニューマルチだった。

 そしてその2QSOはその2分後にやってくる。144MHzでCQを出していて、14:35に無事
エリアレコードをクリア! うれしーー! あとは過去の歴代スコアとの戦いだ。残り時間は25分。

 14:40、ガサガサガサという音に驚いて外を見ると、なんとアンテナが倒れている! 風もそんなに強くないので不思議に思ったのだが、ステーが緩んでしまったらしい。あと20分、ここでリタイアしても仕方ない・・・と思ってアンテナを再建した。しかし、またもやエレメントが曲がってしまった。こんなに格好悪いアンテナ、人には見せられません!  なんてケチなことは言わないで、ちゃんと写真載せます。

よれよれ〜
史上最強のよれよれアンテナ!

 14:45、最後の最後に50MHzに戻ってきた。最後はここでまとめよう! それなりに呼ばれ出す。このタイミングで600QSOを突破! うれしい〜。
 14:54、QSBを伴って呼んできたのはJA1BRM/6@40。げ! ここに来てEスポか! 慌てて、ビームを西に回す。すると、Eスポらしき信号がいくつも聞こえる。2つのVFOを駆使して呼びに回る。が、ニューマルチにはありつけない。呼んでもパイルに負けてしまう。うううう〜。それでも、JA6UDI、JE4VVMと出来た。ここでTIME UP!

50 144 430 1200 2400 TOTAL 昨年
13:00 321(16) 140(3) 62 15(3) 11(2) 549(24) 445(23)
14:00 329(8) 160(20) 66(4) 17(2) 11 583(34) 473(28)
15:00 345(16) 170(10) 68(2) 17 11 611(28) 502(29)
ニューマルチ 12:00-15:00
50
144 06
430
1200
2400 1010

コンテスト終了!

 テントから外に飛び出した。そして芝生の上に寝た。やっとで終わったんだ!
 いつしか天気はくもりになっていて、辺りには霧が立ち込めていた。ここからもまだ戦いだ。暗くなるまでに荷物を駐車場まで運ばなければならない。エリアレコードの達成はできた。満足感で一杯だ。全国レコードにはまだまだ手が届かないが、歴代スコアでも3位にはなったはずだ。(他の局の動向が分からないが・・・)
 しかし、体調はボロボロだった。立つだけで立ちくらみがする。まともに立っていられない。天気は怪しい感じ。雨が降ってきたらアウト。もう食料も無い。気力を振り絞って撤収作業に入る。
 まずは体力を使わないテント内の機材の撤収。そして、アンテナの撤収。今回はそのまま車に放りこむわけには行かない。担いで下りるように、ちゃんとパッキングしなければならない。
 1回目の担ぎ下げ、欲張って背負子に沢山載せたら、荷物を持ち上げることが出来なかった。それでもなんとか立ちあがって、下りていった。前にJI2KIN大塚さんに教えてもらったことを思い出した。「担いで立ちあがることが出来れば、歩くことは出来る。」そう、なんとか歩いてしまえ。しかし、この体調でこの荷物は堪えたなぁ。いくら下りとはいえ。
 でも、なんとか車まで戻ってきた。もうこの時点でクタクタ。それでも、なんとかまた山に登る。空荷でも登りは堪える。途中で休憩。寝ながら考える。「あと2回も荷物が運べるものかなぁ?」 でも、そこで休んではいけない。何とか立ちあがって、コンテストのスコアのことばかりを考えながら、また上る。
 2回目の担ぎ下げは案外軽く感じた。やっぱり1回目が重過ぎたのだろうか。それとも慣れてきたのか?
 3回目の担ぎ下げの時には、霧も濃くなり、風も強くなってきた。雨が降る前になんとか帰らねば。最後は発電機関連を運んだのだが、燃料も水も使い切ってしまったので、案外楽だった。
 山頂を離れる前に「1日も使わせてもらってありがとう。本当にありがとう。」と独り言。
 車に戻って、荷物の搬入が終わると、フロントガラスに水滴が・・・あと少し遅かったら、雨にやられていた。しかも、時刻は既に19:00。暗くなり始めていたので、本当にギリギリセーフだった。

ローカルラグチューでショック!

 モービルからローカルとQSO。ローカルいわく「50MHz良いコンディションだったよね。Wのマルチホップも良く聞こえたしさ。」 僕が苦労して荷物を下ろしていた間、50MHzの北米マルチホップが良好だったらしい。さらに、「強いスキャッターが出ていたから、1DAY WAJAもできるようなコンディションだったよね。」 と言われる。ショックが大きい。今回は自分は北海道のマルチがボロボロのために局数の割にはスコアが延びなかった。それは仕方ないにしても、スキャッターが出ていたのには気づかなかった。山の上という環境で、強力な信号が多くて弱い信号に気づかなかったこと、それに暑さでガサツなオペレートになっていたのがその原因なのか。うーん、悲しいぞ。でも、「スキャッターでできるような近距離はグランドウェーブでカバーできたから良かったことにしよう。」と自分を納得させた。(でもでも、4,5,6,7エリアのマルチは全部は埋まらなかったしぃ。)

 ふらふら走りながら、箱根まで到着。駐車場に車を止めたら、隣にJQ1AHZ高橋さんが! 一緒に「峠のラーメン」というお店に入った。ラーメンを食べながら情報交換。高橋さんは御殿場市からF50に参加したとのこと。高橋さんも北海道のマルチはあまり埋まらなかったそうだ。「でも5〜6はやったよ。」とのこと。うーん、今回はマルチ取りで失敗したなぁ。

 ラーメンを食べてから、マルチ取りが奮わなかったことでかなりブルーな気分になったら、お空もすごい状況になってきた。叩きつけるような土砂降りに、そこらじゅうで光っている稲妻。荒天という言葉がふさわしい。この雲があと1時間早くやってきていたらと思うとゾッとする。
 あまりに眠いので、高橋さんに教えてもらった道の駅「箱根」に車を止めて寝ることにしたが、あまりの雷と土砂降りで眠れるはずも無く、結局、土砂降りの中、山を下りました。
 そして、いつもの富士の道の駅まで到着。ここまでの道のりの眠かったことと言ったら・・・。。ここで1時間ほど寝て、無事、自宅に帰って来ました。

結果

 結果を発表します。初めて、E−MAILでログ提出をしてみました。

MHz point multi. score rig ant 昨年point 昨年multi 昨年score
50 345 37 JST-245 5el Yagi-Uda 5mh 225 41
144 170 26 FT-736+2SC2782 7el Yagi-Uda 3mh 138 18
430 68 11 FT-736 15el Yagi-Uda 2mh 106 14
1200 17 FT-736 26el Yagi-Uda 2mh 20
2400 22 FT-736+UTV2400E 29el loop Yagi-Uda 2.5mh 26 13
total 622 88 54,736 515 93 47,895

 エリアレコード達成! だけど、このマルチの少なさはなんやねん!?
うれしいやら悲しいやら!?

 もう多くは語りません。私はマルチ取りが下手です。

局数の推移を昨年、一昨年と比較してみました。

 でも、このグラフを見ると、なかなか気分が良いなぁ。局数が沢山できたことは確かだもんね。

 また今回もいろいろと課題を残したコンテストでした。この課題を克服すればさらにハイスコアが望めそうです。でも、もうこんな苦しいコンテストはやりたくないなぁ・・・。(と言いつつ、またやるんだけどさ。) でも、いつもそうなんだけど、同じ部門に3回出ると、大体飽きちゃうんだよね。もう、来年は同じ部門では参加しないと思います。

 QSOしていただいた皆さん、ありがとうございました。またのQSOよろしくお願いします。


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