コンテスト参加記○

1997 WW DXコンテスト(CW)


 今年もWW DXコンテストのCW部門が開催されました。サイクル22のピークの1988年〜1990年はJA1YWG(工学院大学無線技術研究部)に在籍していて、その頃はクラブコールですがシングルOPでシングルバンドに参加していました。クラブコールではありますが、実質、運用は勿論、アンテナの整備も自分1人でやっていたので、シングルOPで問題が無いとは思っていました。(少し後ろめたいけれど)

 JAの1位にはなれませんでしたが、3年共エリア1位で賞状がもらえ、非常に嬉しかったことを覚えています。(1988,1989が21MHz、1990が14MHz) 大学を卒業してからは、48時間を確保するのが難しく、あまり参加していませんでした。今年も冷やかしで参加したのですが、結構楽しめたので顛末を書いてみます。

設備

 いつも国内QSOで使用している設備と変化はありません。100Wベアフット、3.5/7MHzがダイポール、14/21/28MHzがトライバンダー3エレです。今回は特に変わったことは・・・一つありました。本文の中で書きます。

土曜日

 大体、参加する気はあまりないんです。最近は、50MHzのコンディションが良くて、VK(オーストラリア)やZL(ニュージーランド)とのQSOが出来ていました。昼休みにシャックに行って50.110MHzをワッチするのが日課になっていたのです。この日も昼休み、昼食を済ました後にシャックに行って、50.110MHzをワッチしていました。RIGの電源を入れてしばらくして、今日がWW DXコンテスト当日なのを思いだし、早速周波数をチェンジ。まずは28MHzを聞いてみます。

 12:45頃から15分ほど。オセアニアと南米が聞こえてきます。トライバンダーも28MHzではフルサイズ動作。結構、コンスタントに自分のコールサインが返ってきます。時間的にも、呼ぶ人が一段落した頃だったからかもしれませんが。

 さて、13時からはお仕事。一旦QRTです。

 17時を回ると、すぐに仕事を止めてシャックにやってきました。
 まずは21MHz。EUの信号は聞こえるかな・・・? いくつか聞こえるのですが、ロングパスとショートパスが混じっているようでエコーを引いてしまって符号が取りにくいです。少し呼ぶ気が失せていたのですが、ZONE 38なんてのを発見。コールサインは「R1ANL」 どうやらロシアの南極基地のようです。数回呼んで、QSO出来ました。

 次に7MHzです。夕方は北米が聞こえるはず。7.000MHzからワッチを始めて、すぐに聞こえたのが「JR0BQD/JD1」。JAから呼ぶと1点にしかなりませんが、とりあえず呼んでしまいました。その上からはアメリカ西海岸がズラリと並びます。ビッグガンの強力な信号に感心しながら次々とQSOしていきます。17:42、EMEでもQSOできた「W5UN」とQSOできました。最近はEMEをやっていないのですが、コールサインを覚えていてくれたのでしょうか、「73」と打ってきました。聞こえるのは、6,7,0エリアで東海岸はきついようです。

 さて、7MHzも一通り呼んだので、今度は3.5MHzに行ってみます。やはり、近くのUA0(ロシアの近いところ)やオセアニアの局が強いのですが、その合間を縫って、7MHzほどではないにしてもアメリカ西海岸の局が聞こえます。国内向けダイポールでは少し厳しいものもありますがなんとかQSOはできます。

 18:00になり、夕食を済ませます。18:25頃からは7MHz先ほどのワッチで漏らしたアメリカの局とQSOします。ZL3CWはなぜかパイルUPになっていてQSOできません。ダイポールアンテナの展開方向がZL方向には不利だからかもしれません。3.5MHzと7MHzを行ったり来たりしましたが、呼べる局が限られてしまったのでHFの無線機の電源は落としてしまいました。

 430MHzでラグチューをしていたら、23:00になってしまいました。3.5MHzを覗くと、ヨーロッパの信号がいくつか聞こえます。ベアフットでも良いかな?と思ってコールすると、結構返ってきます。zone14,15,16いずれもQSOできました。その後、7MHzで少しやって就寝。

日曜日の朝

 まじめにやる気がないので、寝坊して09:30に無線機の前に座りました。21MHzを聞くと北米のオンパレード。片っ端からQSOしていきます。しかし、時間が少し遅いからか西海岸ばかりでした。もう少し早起きすれば東海岸が聞こえたのかな? 珍し目のところは「ZP6XF」くらいでしょうか。

 10:20には無線機の電源を切ってしまいました。(もう全然やる気なし。)

モービルからオンエア

 ローカルと日本平PAでアイボールした後、今度、静岡に開店したケイヨーデーツーというホームセンターに行ってみることにします。どうせ行くのなら景色の良い海岸沿いを通ってみることにしました。国道150号線バイパス。海がきれいです。50MHzのホイップがつながれているIC-706mk2で21MHzを聞くと、Uゾーンですがいくつかのヨーロッパの信号が聞こえます。道の脇に車を止めて、21MHz用の全長2mほどの長いホイップに取り替えました。垂直に立てると、かなりの高さになってしまうので、基台を倒して斜めにして設置です。先日のEME移動の時のセッティングのままなので、パドルはつなぎっぱなし。すぐに電信が打てます。

 まずは近場から・・・と、信号待ちの時に、599で聞こえるZONE17(アジア)のロシアの局を呼んでみます。結構、あっさりとQSO完了。実はQSO中に車を動かしたのですが、あまり苦にならずにパドル操作は可能でした。それよりも問題なのはログ書き。次に信号で止まった時に一気に書いてしまいました。

 これで調子に乗ってしまい、今度はZONE16(モスクワ近辺か?)の局を呼んでみます。車は安倍川の上を走っています。ロケが良いからか、これもあっさりQSO完了。走る車の中から、電信でヨーロッパの局とわずかながらもコミュニケートできる! これって結構面白く思います。

 ケイヨーデーツーストアの駐車場は鉄骨で出来た2階建てのものでしたが、1階を走っていてもヨーロッパの信号が聞こえてくるのは奇妙ですねぇ。しかし、いくら斜めにしたと言っても、ホイップアンテナが駐車場の天井に付いてしまい「ガラララン、ガラララン」と音を立てて走るはめになってしまいました。(ハズカシ) そう言えば、新幹線の高架橋下からコールしたロシアの局ともQSOできました。


日曜日の夕方からは少しマジメに

 モービルDXを体験して、少し自分に火が付きました。21MHzでエコーを引くヨーロッパの信号を呼びに回ります。近場ばかりですが、いくつかは出来ました。そうこうしていてZONE 37を発見。あまり強くないので、1回は無視されましたが、その後、何度も呼んでQSO完了。「5X1Z」でした。
 しばらく昼寝していましたが、17:30頃から7MHz。まず聞いたのはバンドエッジの「K1AR」の信号。おおっ、7MHzで北米東海岸が聞こえるではないか! 自分のWASリストを見ても7MHzの東海岸はあまり埋まっていないので、期待してしまいます。確かに西海岸とオセアニアは強いのですが、それよりも少し弱い東海岸の信号が聞こえます。今日はコンデションが良いのかな?と思いつつ、ZONE4,5の局を何局かQSOしました。ダイポールが標準設備の自分にとって、これは大変嬉しかったのでした。ロングパス?、GI(北アイルランド),PA(オランダ)、OY(Faroe島)と聞こえてきますが、あまり強くありません。しかも、GIなどはすごいパイルアップっでベアフット+DPでは無理っぽいです。しかし、OYをJAから呼ぶ局はあまりありません。「なんでかな?」と思いつつ、何回も呼び、何とかとってももらいました。「OY1CT」
 20時頃まで北米の局を呼びに回りました。アメリカは9エリア以外の各エリアとQSOできました。

 風呂から出てきて、22:00。7MHzではヨーロッパが結構聞こえてきます。ベアフットながらも結構コールバックがあるので、調子に乗って片っ端からQSOしていきました。珍しそうなのは「C4A」(キプロス)、「OH0MAM」くらいでしょうか。でも、次の日はお仕事。00:30頃まで適当に遊んで、寝てしまいました。

月曜日もお仕事前に少し参加

 通勤時間10秒の利点を活かして、仕事前に少し聞いてみます。07:00。7MHzでいくつかのヨーロッパの局とQSO。14MHzは、ここに来て今回初めてのオンエアです。北米東海岸が割と良好です。呼ぶ局も少なく、コンスタントにQSOが出来ます。朝食を急いで取り、最後に少しだけ聞いてみました。28MHzでは久しぶりに北米とQSOできました。コンディションは不安定ですが・・・ 
 そして、最後に21MHz。K1RXが割と強く聞こえてきます。自分があまりHFに出ていないということもあるのですが、久しぶりの21MHzでの北米東海岸。もう、仕事の時間です。しかし、最後にCQを出してみることにしました。東海岸が聞こえるくらいなら、呼ばれることだってできるかもしれない・・・。わずか10分ですが、北米の12局とのナンバー交換に成功しました。西海岸だけでなく東海岸まで! 大学生の頃に味わった、北米のランニングがわずかながらも家からすることができました。しかし、久々のハイスピードCWランニング。結構トチっていました。このわずか10分で僕を見つけて呼んでくる「W3LPL」って良くワッチしてるなーと感心してしまいます。

そんなこんなで

 不真面目な参加でしたが、3.5MHzでいくつかヨーロッパが出来たこと、7MHzで北米の東海岸ができたこと、21MHzで久しぶりにわずかですが北米相手にランニングしたこと、28MHzで北米とQSOできたこと、いずれも自分のレベルでは「面白い!」と感じる体験でした。冷やかしでもコンテスト参加はやっぱり面白いものですね!


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