コンテスト参加記○

2000 ARRL international DXコンテスト


 昨年の結果に気を良くして、このコンテストに今年も出ることにしました。初めてのARRLの賞状というのも嬉しいのですが、アジア1位だったとはね!

賞状がもらえるまでの経緯

 これが一筋縄では行かなかったんですねぇ。

 昨年はCTを使用してコンテストに参加しました。まぁそれ自体は問題なかったんですが、問題はログ提出の方法です。
 以前、ARRL−EMEコンテストに参加した時に、ログとサマリーをテキスト本文にコピー&ペーストしてE−MAILで送ったらちゃんと受け取ってもらえたので、今回も同じ方法で送ったのです。確か、ログサンプルみたいのがあったので、そのフォーマットで。
 メールを送るとすぐに「あなたのログを受け取りましたよ。」という内容のメールが送られてきました。しかし、その中に気になる記述が一つ。「メールのタイトルは規定通りにしてください。」と書かれていたのでした。この規定に従えば「JI2ZJS ARRL DX CW SOSB 40」と記述しなければならないのですが、実際には「JI2ZJS log&Summary」なんて書いてしまったのでした。でも返送されてきたメールには「もう1度送る必要はないよ。」って書かれていたので、そのままにしました。
 で、結果が発表された10月。自分はARRLの会員ではないのですが、先輩のJJ1VROからメールが来て「QST誌の結果にJI2ZJS載ってないよ。」ということを知ったのでした。
 慌てて、ARRL−WEBに行って、結果発表を見ましたが、JI2ZJSのコールサインはありません。しかも、もしもここにJI2ZJSが載っていれば、JA1位のはずなんです。これは大ショックでした。
 「ログ受け取りリスト」も見ましたが、やはりJI2ZJSのコールサインは見当たりません。
 仕方ないので、コンテストマネージャーのN1NDにメールを出してみることにしました。慣れない英文メール。和英辞典を引きながら、なんとか表現したいことを書いて送ってみました。
 すると、「こちらにある結果表を訂正しておきますよ。」との答え。ちょっとほっとして、数週間待ちましたが、ARRL−WEBの結果表が訂正される気配はありません。(と言うか、ARRL−WEBの結果表はQST紙のコピーだから訂正しようがない。)
 そうこうしているうちにひょっこり賞状が届いたのでした。一度はダメだと思ったのに、ちょっと嬉しかったですねー。
今年はしっかり規約読まなきゃ。

参加部門

 昨年に続いての「苦手バンド克服キャンペーン」ということで、ローバンドにエントリーすることにしました。今年は3.5MHzです。
 昨年の結果を見ると、JAトップはなんと250QSOもやっています。自分はいつも西海岸まで届いてやっとなのに、こんなに沢山出来るんだろうか? 今回は入賞も難しそうだけど、まぁできるだけやってみましょう。

アンテナ

 クラブにある3.5MHzのアンテナは逆Vと1/4λスローパーです。今までWWやWPXで使った感触では、国内は逆Vが有利ですが、かと言ってDXに対してスローパーが有利かと言うとそんなことはなく、DXの信号で聞き比べをしても、スローパーも逆Vも同じような聞こえ方をしていました。スローパーの方がノイズレベルが高いのは明らかで、スローパーがDX向きとも言えないような感じでした。
 そこでどんなアンテナが良いか考えていました。まさかYagi-Udaを作るわけには行きませんし、時間も限られています。JI1NJC飯塚さんと会う機会があり、ローバンドのアンテナについて聞いてみました。この時に教わったのが3/4λスローパーです。このアンテナは「ワイヤーアンテナハンドブック」にも載っていたので、その存在は知っていました。飯塚さんいわく「フルサイズのGPよりも良い。」とのこと。クラブにはすでに1/4λスローパーが上がっているので、これに電線を継ぎ足すだけで作ることもできるので、工作も簡単そうです。早速、作ることにしました。
 エレメントはクラブシャックに落ちていた銅線を継ぎ足し継ぎ足し作りました。しかし、いざ張って見ると。これが長いのなんのって。エレメントを地面に付かないように張力を与えるのが結構大変でした。出来あがったアンテナは以下のようなスタイルです。

アンテナのレイアウト図です

 エレメントの調整だけでSWR<1.5になりました。3.5MHzにTUNEしたのですが、そのままでは3.8MHzでは使えません。給電部は特別なことをしていなくて、同軸のアミ線がパンザに落ち、芯線にエレメントがつながっているだけです。
 たまたまUSA方向へ下り坂になっているので、ビームの方向も丁度良い感じです。またこのおかげでエレメントには思ったよりも角度が付いているようです。
 アンテナの調整にはJM2RUV酒井君に手伝ってもらいました。しっかし、エレメントの先っちょに行って、またシャックに戻っての繰り返しは結構疲れちゃった。

準備

 このアンテナを調整し始めた時にSWRアナライザーを使用したのですが、反射波が振り切ってしまい、とても調整できる状態ではありませんでした。同軸ケーブルをつなぎ間違えたのか、はたまたどこかで断線しているのか、いろいろと悩んでしまいました。SWRアナライザーの値はどこの周波数でも無限大。しかし、スポット的に反射が少なくなる周波数がありました。その時のメーターを注意深く観察すると、時間と共に振ったり振らなかったりしています。しばらく考えて、その謎が解けました。これは中波放送によるものだと。
 3.5MHzの3/4λを1/4λ換算にすると。1000KHzほどになります。これは巨大な中波用スローパーではないですか。試しに送信機をつないでSWRを測ってみると、ちゃんとボトムが分かるし、SWRアナライザーほど変な値ではありません。試しに中波を聞いてみましたが、メーターが振り切り、音も歪んでいました。
 そこでHPFを作ることにしたのです。このHPFの概要についてはこちらを御覧下さい。
 今回はコードレスヘッドホンも導入しました。これはめちゃ便利です。

左に見えるのがコードレスヘッドホンの送信部
右奥に見えるのがHPF

 

1日目の様子

 3.5MHzのコンディションはこれまた分からない。昨年の7MHzよりも遅くにオープンし出すだろうと思い、仕事を少しだけ早く切り上げて、クラブシャックに向かいました。
 17:00頃よりワッチしますが、K9NSが弱弱しく聞こえるだけです。1KWで頑張って呼んでみるのですが応答はありません。うーみゅ。
 そうこうしているうちに比較的強く西海岸の局が聞こえてきたので呼んでみます。しかし、応答がありません。でも、「これくらいの信号で聞こえるならCQ出せば誰か引っかかるだろう。」と思い、CQを出し始めることにしました。流石に他にCQを出している局はいません。
 15分ほどCQを出したら、やっとで1局目が呼んできました。17:50、W6JZHが1局目です。
 これを頭にちらほらと呼ばれるようになりました。
17時台はこの他に1局。18時台に12局。19時台も12局。ほとんどがCAですが、時折ORやWAが混じります。少し上目の周波数でCQを出していたので、時折、国内の局が呼んできました。リポート交換だけはしましたが、あまり強くなかったです。打ち上げ高が低いと考えて良いのかかな?
 20時台は14局。この時間は奥の方まで開いていたようで、TXが多く、20:49にはMDとQSOできました。東海岸だ! 時折他の局の様子を聞きに行くのですが、自分よりも明らかに呼ばれている感じ。まぁ、こちとてワイヤー1本だもんね。アンテナの割には飛んでいるということにしよう。
 21時台は割と調子よくって、26局。昨年の7MHzとあまり変わらない呼ばれ方です。マルチも散らばっていて良い感じ。1局呼ばれると、その後パラパラと続けて呼ばれるのはコンディションのせいだけとは言えないような気がするな。誰かがローカルのパケットクラスターに流しているか、情報を伝えているに違いないと思うんだけど。
 22時台は23局。段々CAの比率が上がってきました。西海岸ばかりになってしまいましたが、ノイズレベルも落ち、信号も安定していてQSOはしやすいです。この時間までは結構ノイズとフェージングが激しく、ナンバーやコールサインを聞き返すことが多かったのです。レートはそんなに上がらなかったので、審査で落とされないよう、確実なQSOを心掛けていたのでした。
 23時台は22局。どこまで行けるかな?
 0時を回りましたがしつこくCQを出していたら、最後に1局だけ呼んできました。00:03のK7RIを最後に1日目を終了することにしました。このQSOを終えた後にバンドの様子を聞いてみましたが、アメリカの局は誰も聞こえず、細々とUA9の局が聞こえていただけでした。
 1日目は計113QSO。これを良いと見るか悪いと見るかは全く分かりません。同じペースでできれば200QSOを越えるんだけど。とりあえず帰宅して就寝。

本邦初公開!?
これがJI2ZJSのオペレーティングディスクだ!

今年も浜松

 今年もコンテスト中と言うのに浜松まで行って、「ハムの祭典」を見物してきてしまった。戦利品はナショナルの8chCB機(2k円!)と、ファンクションジェネレーター(5K円!)とBCLラジオのクーガー2200でした。うーん、クーガーが手には行ったのはちょっと嬉しいかも。スペアナも置いてあったけど、30万円もしたので当然パス・・・

コンテスト 2日目

 昨日のペースで行っても昨年の1位の局数には届きそうもないので、少し気合が抜けていました。でも、頑張らなくっちゃね。目標は200QSO!
 昨日と同じように17:30頃からCQを出しますが、だーれも呼んでこない。KL7とKH6の局がコンスタントにQSOしていますが、その相手はたまにしか聞こえてきません。
 18:27にやっとで1局呼んできますが、後が続かない。結局、18時台はこの他に1局のみ。昨日よりも明らかに立ち上がりが悪い感じです。
 続いて19時台はなんと1局のみ。もう、CQCQCQCQCQこれでもかってCQ。でもコンディションには勝てないのね。KL7やKH6の局もペース悪い感じです。JAでもこの時間はCQ出している局はほとんどいませんでした。なぜかW3LPLとか聞こえるんだけど、呼んでもとってもらえない〜。
 20時台は12QSO。20時台も後半になってやっとで呼ばれるようになりました。これまでの2時間の電力は一体なんだったんだ!
 21時台は23QSO。この時間帯はマルチもばらけていてまぁまぁ良い感じ。やっとでまともに開け出したって感じです。ちなみにこの時間にWEBクラスターにJI2ZJSをリポートしたW1の局がいるのですが、実際にはW1の局とはQSOしていません。うーん、弱くてノイズに埋もれたあの信号がそうだったのか? スローパーはノイズに弱いらしいしぃ。
 22時台は20QSO。昨日よりもペース悪いなぁ。それでもこの時間はいろんなマルチに呼ばれています。JAのCQもずらりと並んでいました。
 23時台は17QSO。もう西海岸しか聞こえません。もうニューマルチはないだろうなと思っていたら23:55にNVに呼ばれて土壇場で1マルチ追加。辛抱してtれCQ連打した甲斐があったってもんです。
 0時を回ったので、そろそろ帰ろうかとも思ったのですが、なんとなくダラダラCQを出していました。日が変わってからは3QSOのみ。どうも昨日に続いてJAで最後までCQを出していたのは自分のようでした。
 コードレスヘッドホンとCTのCQ自動送出機能を利用して、最後はシャック内を片付けながらのCQでした。

結果

MHz QSO POINT multi. score rig amp ant
3.5 187 561 33 18,513 IC−760 Henry 2KD 1KWout 3/4λスローパー 20mh

 あーあ、200QSOは結局越えなかったなぁ。

 でも、3.5MHzで初めてのランニングはまぁまぁの成功じゃないかな。3/4λスローパーも良く働いていたと思います。


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