コンテスト参加記○

2001 全市全郡 コンテスト


 全市全郡コンテストには久しぶりの参加でした。少し時間が経ってしまいましたが、参加記を記してみます。

目標

 3月にMARICO シャック(JI2ZJSシャック)を利用してハイパワー免許を得ました。これを利用してハイパワー部門に参加することにします。でも、どうせ参加するなら、目標は高く
2エリアレコードを作る!
 おいおい、また同じこと言ってるよ・・・
 部門はまたもやマルチバンド電信です。
過去のデータから考えるに、1000QSOしてしまえば良いようです。以前、自宅からベアフットで参加したときには700ちょっとできたのですが、今回はハイパワーだし、アンテナもロケも抜群なので、でも実際どれくらいできるかは分かりません・・・

作戦

 久々の参加だし、設備も初めてなので何とも言えません。ただ、局数を稼いでいけばマルチが追いついてくるので、とにかくレートの良い周波数を回っていけば良いはずです。すると、3.5/7MHzがメインバンドになるのですが、暇な時間には他のバンドにも出られるように、色々な周波数に出れた方が良いと思われます。そこで、電信と言えども、1エリアに開けたロケを活かして、V/UHFの設備も揃えることにしました。と言うのも、MARICOシャックには普段は144MHzより上の周波数はGPしか上がっていないからです。

準備

 普段、自宅にある無線機を一部MARICOシャックに移しました。1週間前から作業を始めます。3.5MHzのアンテナも未整備のままだったので、バランを取り付け、SWRの調整を行いました。日曜日になかなか身動きがとれなかったのと、雨のせいで作業が平日の夜になってしまいました。車をパンザマストに向けて停車し、フロントライトを上向けにしてパンザを照らし、作業を行いました。
 また、V/UHFのアンテナもローテーター付きのビームを整備しました。地上高4mhですが、ロケ自体が元々良いので、これで良しとしました。当日までに整備できた設備は次の通りです。無線機も全てセッティングして、あとはパソコンをつなげるだけの状態にしました。

MARICOシャック(JI2ZJS)アンテナ
この写真には144/430MHzのアンテナがありません。
また、左側に第2パンザがあります。
この写真が1エリア方向。
周波数 無線機 アンプ 出力 アンテナ mh
3.5MHz JST-245 IC-2KL 500 inv.V 18
7MHz JST-245 IC-2KL 500 2el 20
14MHz IC-740 IC-2KL 500 5el 18
21MHz IC-740 IC-2KL 500 5el 20
28MHz IC-740 IC-2KL 500 5el 22
50MHz IC-740+TRV 3-500Zx2 500 6el 22
144MHz FT-736 2SC2782 50 7el 5
430MHz FT-736 25 15el 4
1200MHz FT-736 10 26el 4

過去最大の失敗

 こんな失敗をするのは過去初めてです。コンテスト参加を楽しみにして、ワクワクしながら準備を進め、平日の夜にパンザマストに上り・・・
 実はコンテストの直前に、建築士会の全国大会が仙台で行われました。今年は静岡支部の理事をやっていることもあって、仙台まで行くことになっていました。まぁ、バス旅行で、仙台までの道のりは飲みっぱなしなのですが。
仙台からの帰り道。首都高速道路を走っているときのことです。携帯電話にメッセージが入ったようです。聞いてみると・・・「TSL〜コンテスト始まっちゃってるけど、なんで出てないの〜、おーい!」それを聞いたときに、一気に酔いが覚め、真っ青になりました。その様子を見ていた、他の旅行参加者は「どうかしたの?」と言っています。まさか、コンテストに出られなくて落胆している・・・とは言えないので、平静を装いますが・・・
 元はと言えば、コンテストの日時を1日間違えて手帳に記入していたのが元凶なのですが、その根拠と言えば、CQ誌付録のハム手帳。これだと、1日遅れて記載されているのだもの。それを信じてしまって、JARL NEWSの規約をしっかり読まなかった自分が悪かったと言えばそうなんだけど、悔しいったらありゃしない。
 静岡に到着したのは0時過ぎで、今から出発しても4時間の遅刻。レコード達成なんて絶対無理です。それ以前に酔っているから、車の運転なんかできないからシャックに行くことすらできません。
 ここで一つのいたずら心が働きます。「来年から始まるかもしれない、ハーフタイム部門に参加してみよう。」 今年はこの部門はありませんが、仮に半分だけ参加したら、どうなるのか、チャレンジしてみることにしました。従って、風呂に入って就寝。疲れているからすぐに眠りにつきました。(ちなみにハーフタイム部門は新設されませんでした。)

出鼻をくじかれる

 朝、起きて朝食を済ませて準備をします。コンピューターのセッティングがまだなので、キー等も持って行かねばなりません。箱にいろんなモノをガサガサと入れて、MARICOシャックへ向かいます。朝の道路は割と空いていました。
 08:30。シャックに到着しました。コンピューターをセッティングして・・・ありゃりゃパソコンと無線機を接続するケーブルがないじゃないの。ケーブル以外のセッティングを終えて、ケーブルを取りに家に戻りました。時間をまたもやロス。再びシャックに着いた時には0900を回っていました。12時間を切ってしまいました。

コンテスト開始!

 と言っても、この時間から開始するのは自分だけ。まずは14MHzをワッチ。コンディションは非常に良く、各エリアの信号が聞こえてくる。数局呼んでから我に帰る。「あ、そうだっけ。自分には重複の局が誰もいない。しかも、ここは山シャックにハイパワー。自分でCQを出せばいいじゃん。」と。
CQを出すと、呼ばれる呼ばれる。さすがハイパワー。自宅でベアフットの比ではない。1局/分をキープしながら10時代に突入。呼ばれ方がにぶくなってきたかな、と思って10:18に21MHzにQSY。ほとんどがニューマルチなので、レートを保ってさえいれば得点に結びつくようだ。
21MHzは1エリア向けグランドウェーブも効くため、ここもそこそこのペースで続く。ただ、14MHzよりも落ちる感じはしたので、144MHzと同時ワッチとし、CQの隙間で呼び回りを行った。10:44には21MHzもペースダウンする感じがしたので、思い切って144MHzでCQを出す。あまりペースは良くないが、時折呼ばれる。次はどうしようかなーと考えながら。
10:54にVHFを一度回るか、と考えて50MHzにQSY。聞こえる局を呼んだ。その合間に430MHzも同時ワッチ。
430MHzでは1局だけ三重の局とナンバー交換できた。ここは西方向はそんなにロケが良くないし、1エリアが得意なはずなのに、1エリアが聞こえてこない。2日目で、みんな疲れてお休みかなぁ。
11:06に、やっとで真打ち登場!という感じで7MHzにQSY。さすがにこの時間まで交信ゼロだと、みなさん飛びついてくる。でも、暇な時間もたまにあるので、裏で50MHzをワッチ。7MHzで呼ばれないタイミングを見計らって、50MHzで呼び回り。

3.5 7 14 21 28 50 144 430 TOTAL
10:00 32(32) 32(32)
11:00 54(22) 22(22) 5(5) 8(8) 89(57)
12:00 60(60) 54 22 15(10) 8 1(1) 160(71)
7MHzの出始めはかなりのハイペースになりました。

 12:00を回っても7MHzを続ける。裏で50/144MHzの呼び回り。V/UHFも昼の中弛みタイムなようなので、裏ワッチを14MHzに変更。まだまだ14MHzのコンディションが良いみたい。7MHzも開始時の呼ばれ方が落ちてきたので、13:00に思い切って14MHzでCQに切り換えた。7MHzを温存する意味もあったのだが。すると、これが大ヒット。やはりハイパワーは違う・・・と思いながら続けた。裏で7MHzの呼び回りなのだが、14MHzが忙しくて、呼べるチャンスが少ない。それでも少しずつ積み上げていけば違うはずだ。
14:00を超えたところで、今度は21MHzに上がってみた。こちらはソコソコのペースか。28MHzも覗いてみたが、レートが悪そうなので1局だけQSOして、また14MHzに戻った。
ハイバンド巡回もペースダウンしてきたので、14:45に再び7MHzに戻る。困ったときの7MHz。ペースが復活する。裏で50MHz呼び回り。

3.5 7 14 21 28 50 144 430 TOTAL
13:00 109(49) 56(2) 22 20(5) 9(1) 1 217(57)
14:00 111(2) 114(58) 22 20 9 1 277(60)
15:00 124(13) 137(23) 34(12) 1(1) 23(3) 9 1 329(52)
ハイバンドを重心を置いたオペレート。V/UHFは同時ワッチ。

15:00以降は7MHzでCQ、ハイバンドを順に裏で呼ぶことにした。14MHzは結構やったので、裏ワッチは21MHzが中心。28MHzも時折聞くのだが、あまり局がいない。
16:28より思い切ってハイバンドの3バンドで順にCQを出した。ハイパワー+山の上ビームはさすがにすばらしく、スキャッターでも呼ばれる立場になれた。
17:10にやっとで3.5MHzに下りた。ここでも猛烈に呼ばれる。当然、こちらから見ればだれもが重複では無いし、呼ぶ方にしてみれば貴重な新局だし。無我夢中でQSOを続けた。楽しい時間帯だ。それでも裏でHFハイバンドやV/UHFで局を見つけては呼びに回ったりした。

3.5 7 14 21 28 50 144 430 TOTAL
16:00 163(39) 137 48(14) 2(1) 25(2) 9 1 385(56)
17:00 186(23) 146(9) 54(6) 6(4) 25 12(3) 1 430(45)
18:00 63(63) 186 146 54 14(8) 25 14(2) 1 503(73)
夕方まで3.5MHzを温存させ、それまでに各バンドでペースを保った。


18:00を超えても3.5MHzの勢いは止まらない。本当は夕方は50MHzをやりたいのだが、これだけペースが良ければあえて50MHzに出る必要もない。どうせマルチは増え放題だし。
19:00過ぎに3.5MHzが呼ばれなくなったのを見計らって7MHzに戻って30分ほどCQ。でも少し50MHzに未練があって、19時代後半には50MHzでCQを出してみた。時折呼ばれる程度。JI1CQA/2に呼ばれたが、恐ろしく強く、無線機のメーターが振り切ってカチカチ言っていた。DX狙いの富士山西斜面移動のようだ。
19:43に再び3.5MHzにもどり、そこで最後まで過ごすことに決めた。同時ワッチも怠らず、裏でV/UHFの呼び回りをこなす。そして21:00を迎えた。お疲れさま〜。

3.5 7 14 21 28 50 144 430 TOTAL
19:00 122(59) 186 147(1) 54 14 27(2) 14 1 565(62)
20:00 135(13) 203(17) 147 54 14 39(12) 14 1 607(42)
21:00 173(38) 203 147 54 14 45(6) 16(2) 2(1) 654(47)

コンテスト終了!

 いつもの疲労感は無く、サバサバした爽快感のみが残った。不完全燃焼という感じは無い。なぜなら初めから燃えるモノがなかったから。でも、ハイパワー+山シャックのすばらしさは堪能できた。2日目からの参加ということもあるが、どのバンドもかなり呼ばれるし、呼んだ時の応答率も良い。つまり、ストレスの要因が無い。寝不足になることもないし、意識が途切れることもなかったから、楽しい12時間弱だったと思います。

ちなみに、このあと50MHzのカリブのオープンがあるのだが、こちらは坊主に終わりました。残念。

結果

 結果は・・・

MHz point multi. score
3.5 173 145
7 202 173
14 146 136
21 54 51
28 14 14
50 45 42
144 16 14
430 2 2
total 652 577 376,204


12時間限定にしてはかなりのパフォーマンスじゃないの、これって。このペースで24時間できれば1000QSO超できたかも!?

1997年に自宅から参加した時とあまり変わらない結果じゃん。という訳で、1997年の実績と共にグラフ化してみました。

なんだかインターセプトポイント算出のグラフみたいだな。

 同じ部門で、オペレートしている人も同じなのに、設備がいいとこれだけグラフの傾斜が違うってことです。もっともコンディションも良かったけれども。2002年はフルオペしたいなぁ。そのためには日にちを間違えないようにしないとね。

実はとっくに結果発表されています。ハイパワー部門でかろうじてエリア1位入賞となりました。ミドルパワー部門のエリア1位局よりも点数が低いので、またもや「隙間入賞」でした。でも、これで2001年はJARL4大コンテスト全てで入賞したことになりました。

 QSOしていただいた皆さん、ありがとうございました。またのQSOよろしくお願いします。


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