コンテスト参加記○

2001 フィルドデーコンテスト


 気軽にコンテストに参加するのも楽しいものです。
少し前のことになってしまいましたが、結果発表を機にまとめてみました。

今年のFDは

 フィルドデーコンテストは7回の入賞経験があり、自分としては得意とするコンテストかもしれません。思い返してみれば、雨の中、富士川河川敷に移動した3.5MHzに始まり、暑い中頑張った7MHz、自作GP1本で全国優勝した14MHz、風邪で下痢になり最後には声が枯れてしまった21MHz、コンテスト中にアンテナが倒れてもなんとか復旧してエリアレコードを達成した28MHz、アンテナを3系統も上げた50MHz、宝永山へ担ぎ上げ移動した430MHzまで、どれもがシングルバンド部門でしたが楽しい思い出です。しかし、こうやってコンテストに参加できたのも、その日程に他の予定がなかったからです。
今年は日曜日に法事の予定が入ってしまい、これは予定を変えることができません。コンテストにフル参加することはできないのです。しかし、コンテストの日は迫ってきて、とうとう当日になりました。今年は棄権だよな・・・

当日の夕方

 430MHzで連絡をとっているクラブ局の様子などを聞いていると、やっぱりうずうずしてきます。参加できるとしても1日目の3時間くらいか。もう18時を回っています。そこで、ある案が思い浮かびました。「なるべく簡単な設備でやってみよう」
閉店間際の地元のハムショップに遊びに行ってみます。天気はものすごい土砂降り。静岡市近辺だけものすごい勢いの雨が降っているようです。
モービルホイップで最も遊べる部門ってどの周波数だろ? やっぱり14MHZかなあ。ハムショップで14MHzのモービルホイップが在庫しているか聞いてみます。しかし、案の定お手軽タイプのものしかありません。でも店長は「実はとっておきのがあるんだけど、売っちゃっても良いよ。」といってMDシリーズの7MHzコイル付の中古を取り出しました。ところどころ錆びていますが、使えそうです。新品に比べてはるかに安い値段だったので買ってしまいました。7MHzでモービルホイップでコンテストやったらどのくらいできるのかな?そう思いつつ、土砂降りの中、自宅に着きました。

まず場所を決めよう

 最も簡単に移動運用できる場所・・・静岡市と清水市の境に長尾峠という山があります。山と言っても、標高は200mくらいでしょうか。お茶畑の一角です。東西ともにそこそこ開けているし、人通りも少ない。最大のメリットは自宅から20分ほどで到着することです。じゃ、そこにでも行ってみようかな。

で、どこのバンドにするの?

 VUHFじゃ気合の入った移動局に勝てるはずがないし、やっぱり7MHzか14MHzだよなぁ。14MHzにするとしても、アンテナ無いし・・・アンテナ無いなら作れば良いか。キボシダイポールを立てる設備はあるけれども、マスト立てるのも面倒。そういや21MHzのホイップなら持っていたっけ。ひょっとして先にエレメント継ぎ足せば14MHzに同調するんじゃなかろうか?
そこで「14MHzキット」を急遽作りました。2mほどのすずメッキ線の先にワニ口クリップを半田付けするだけです。作業時間が10分くらい。でも、当然調整していないので、調整がうまく行かなかったら今日買ったばかりのホイップで7MHzで出ても良いし、コンディションが良ければ21MHzでも良いかな。結局、どのバンドに出るのかも考えないまま自宅を出発しました。もう20時になりそうです。コンテストまであと1時間。

移動地到着

 自宅近辺はまだ雨が降っています。しかし、長尾峠の麓まで来ると、なせか路面が乾いています。こっちの方は雨が降っていなかったのか。そうすると、あの土砂降りは本当に局地的だったんだろうか。
移動地にはすぐに着きました。静岡市内の夜景が見えます。20:20。

アンテナ製作

とりあえず「14MHzキット」をエレメント先端に取り付け、アンテナアナライザーに掛けてみます。12MHz辺りでSWRのボトムが確認できました。問題はエレメントが自立していないことで、モービルホイップそのものは地面と垂直になっていても、すずめっき線はふにゃふにゃなのでエレメントの先はぐるっと円弧を描いて地面を向いています。少しエレメントを動かすと、SWRがかなり変化します。
電卓片手にエレメントを切り詰めていき、なんとか14MHzにSWRのボトムを持ってくることができました。もう、ここまで手間を掛けたのだから14MHzに出るしかありません。やっとでバンドが決定しました。14MHzです。
ちなみにトランシーバーはIC706mkU。バッテリー駆動です。紙ログに手打ちエレキー。パソコンをセッティングする余裕などありません。

QSLカードに使った挿絵です。

コンディションは・・・

 早速ワッチです。もう20:50です。CWのバンドエッジにはJQ1UKK/7がいます。な、なんと青森らしい。ほるばる移動運用したのか。信号は強力で、コールバックがあります。いちおう飛んでいるみたいです。コンテスト中での再開を祈ってファイナルを送ります。
モービルホイップでまともに使えそうなのは正規伝搬とグランドウェーブ。グランドウェーブはその範囲に局が少ないので、正規伝搬が開いてないとどうしようもないです。モービルホイップではスキャッターはあまりあてにできませんから。

コンテスト開始

 お手軽参加といえども、21:00を回ればワクワクしてきます。CWバンドの上の方からCQを探して片っ端から呼ぶことにします。下の方では呼んでもとってもらえないと思って。
21:00 JH2YHK/2伊豆への移動局が1局目です。コンディションは結構良くて、関東も関西もQSOできました。最も良く開いているのは東北で、強力に聞こえます。しかもコールバックが結構コンスタントに返ってきます。強い局を選んで呼んでいるということは、その局との伝搬状況が良い訳で、パイルになっていても抜けてしまったりします。モービルホイップを使っている気がしません。21:11までに10局できました。
この段階ではCW部門にしようと思っていたのですが、とりあえずバンドの中の強い局はQSOしてしまいました。それじゃCQでも出してみるか。静岡市内の局が呼んできてくれればそれでよいや、と思ったのですが、1局目に呼んできたのがJA9TCY/4@31でした。おぉ,ラッキー!と思ったのですか、なんとその後も続けてJA6LAD,JA6AHT,JA7ZXT/7,JF2XQP/2と続きます。モービルホイップのハンデとは別に、移動局であることのメリットをあるんだっけ。固定局は呼ぶ専門になるしね。
意外な飛びの良さに喜びながらも、「どうせ入賞なんか無理なんだから遊びでSSBもやってみよう。」そう思い、SSBにもでてみました。こちらも好調で東北、九州を中心にQSOが進みます。CQも出してみましたが、1局だけでしたが呼ばれることができました。北海道はコンディションが不安定らしくあまり聞こえません。それても14MHzだけあって、いろんなマルチとできているようです。今回は重複チェックもマルチチェックも用意していなかったのですか、合間にマルチチェックもしてみました。西のマルチは結構埋まったみたい。

段々ペースダウン

 21時台は32QSOでした。モービルホイップにしては上出来ではないでしょうか。22時代になるとコンディションも悪くなってきて、また、未交信局が減ってきたのでペースダウンしてきました。途中、携帯電話にJG2CEZから電話があり、しばしお話。タイムロスですが、お手軽参加なのであまり気にしませんでした。22時台は17QSO。
コンディションは浮き沈みがあるので、未交信局をみつけたらすぐに呼ばないとなりません。また、開けてると思ったらCQを出しても有効です。伝搬特性を楽しみながら時は進みます。
23時台14QSO。
0時を回ったですが、まだバンドはオープンしています。CQを出していたら、なんとインドネシアに呼ばれました。モービルホイップでDXに呼ばれるとは思ってもいなかった。
明日は法事なので寝坊はできない。もう帰ろうっと。最後にバンドの中をサッとサーチし、00:07のJI7OED/7を最後に運用を終わりにしました。

撤収作業

 超簡単です。ワニ口クリップを外して終わりですから。ものの30秒。すぐに自宅を目指しました。深夜は静清バイパスも空いていて00:30には帰宅。風呂に入って01:00には就寝していました。うーん、健康的だ。

ログ提出

 ZLOGのポストコンテストモードで入力し、淡い期待を込めてE-MAILでログ提出しました。

結果

 JARL NEWS12月号が届きました。全く期待していなかったのですか、なんとエリア1位で入賞してしまいました。こんなに簡単に賞状もらえちゃって良いのだろうか。でも、たまにはこういうこともなくちゃねぇ。

完全にすきま入賞ですな。

メインに戻る


ご意見、ご感想はこちらまで→jg2tsl@jarl.com