コンテスト参加記○

2004 静岡県市町村コンテスト


 毎年恒例となっている静岡県市町村コンテスト、今年も参加しました。

 HFシングルバンドシリーズも全てやってしまったし、マルチバンドも電信/電信電話共にやってしまったので、なーんかマンネリ化してきちゃったなー。それじゃ、担ぎ上げでもするか、ということで伊豆の山に担ぎ上げ移動しようかと計画を立てました。しかし、なんかやる気が乗らないな・・・

当日

 朝、起きると結構な雨。あーあ、こんなんじゃ担ぎ上げ移動運用なんかできないな。どうしよう・・・?
そうだ、たまにはマリコシャックに行ってみるか。HFのアンテナは結構良いのが上がってるし・・・それじゃ、HF QRP部門にも出てみるかな・・・FT-817とノートパソコンを急遽車に載せ、家を出発しました。

マリコシャックにて

 FT-817をセッティングしたまでは良かったのですが、当日急に準備したものだから、忘れ物が発覚。なんとパソコンのZLOG I/Fと無線機をつなぐケーブルがない。パドルをずっと打つのも苦痛だし、と机の引き出しの中をゴソゴソやるとRTTY用インターフェースケーブルが出てきた。これを分解して急遽ケーブルを製作。なんとか接続完了。

 次はFT-817のCWがエレキーモードのままになっているのが発覚。MENUモードに入ってもそれらしきコマンドがない・・・どうしようかとローカル数人に電話してものの分からない。いろいろ考えた挙句思い出したこと・・・「車に取扱説明書が載ってたかも?」 なんで今まで気づかないの?

 クラブシャックから車が置いてある場所までは数十メートルなのですが、天気は嵐のような風雨に見舞われていました。しかし、車には説明書があり、一件落着。IC-706系とは操作系が違って、前面パネルのABCボタンで切り替えるのね・・・

 いつものごとくドタバタしながらセッティング完了。いつものごとく準備が整ったのは開始直前の12:00でした。

作戦

 昨年、ローカルのJG2CEZがHF QRP部門の電信に出ていて、その感想を後で聞いていました。「1Wとは思えないほど、よく呼ばれた。信じられん。」とのこと。マイナーコンテストということで混信は少ない、静岡県内局なので呼ばれる立場になれる、ということで出力の小さいことが大きなハンディにはならないようです。隙あらばCQ、これをQRPでやってみることにしました。

 昨年のCEZと部門がダブるのもいやらしいので、自分は電信電話部門で出ることにしました。QSOのほとんどがCWになるだろうことは事前に予想していましたが、7MHzSSBのQRMMの中で1Wがどのくらい飛ぶのか試してみるのも面白いのではないかと。

今回はリニアアンプも100W機もOFFです。

コンテスト開始

 コンディションを全く把握しないでスタートしてしまったが、とりあえず21MHzCWでJK2RCPとQSO。北東に向かって開けているマリコシャックの利点をいきなり利用することとなった。バンドは閑散としていて、何局か常連局とQSOしたらすぐにネタ切れになってしまった。

 28MHz、14MHzとわたり歩く。コンディションは悪く、県内のマルチばかりが並ぶ。そんな中、@11からJJ1LBJが呼んできたりする。グランドウェーブの神奈川ですか...1Wで良く飛んでいったねぇ。見通しか、それに準じた場所ならマリコシャックのロケを活かして、それなりに飛んでいくらしい。しかし、カスカスの局を呼んでも見向きもされない。スキャッターでなんとなく聞こえていた岐阜の局や、それでもS=5くらい振っていた浜松の局には何度呼んでも無視されてしまった。

 しかし、見通し内の局は結構な強さで聞こえる。JK2EIJ/2は多分、遠笠山なんだろうか。非常に強力に聞こえていた。呼ぶとすぐに応答があった。後で聞いたところでは「TSLは至近距離にいるかと思った。静岡市でQRPであの強さはないだろう・・・」とか。

 ちなみにパワー計によるパワー監視は絶えず行っていた。FT-817はL2モードで動作させた。これで1W出力だ。パワー計でもちゃんと確認した。

 13:36に14MHzでJA6FOF/6とQSOでき、コンディションの上昇を期待して 九州向けのCQを出すが、応答はない。バンドコンディションが悪いのと同時に、コンテスト参加局そのものが少ないらしい・・・。

7MHz開始

 ハイバンドで2時間過ごし、稼ぎ頭の7MHzバンドの時間になった。もうハイバンドに戻ってくることもなかろうかと、最後はハイバンドの各バンドを隅から隅までワッチして未交信局をつぶしてから7MHzに移った。少し遅刻して14:17。CQを出さないことには始まらないので,クリアな周波数をみつけてCQ開始。始めはパラパラ程度だったが、それなりに呼ばれ始める。同時に3局くらい呼んでくることもあるが、その後、2分間、空振りCQが続いたりする。

 マリコシャックの7MHzのアンテナはフルサイズの2elヤギ。1Wといえども、アンテナに7dBのゲインがあったとして、ダイポール5W相当ですか。ありゃ、まだQRPのままじゃん。1Wってそんな出力なのね。

 そんなんで、誰かにみつけてもらって呼ばれると、相手の信号に気づいて他の局も呼び出すらしい。呼ばれだすと続くし、いったん呼ばれなくなるとぱったり止まったりする。

 存在が分からなくなることもあるらしく、突然QRMが出てきて周波数をとられたり。しかし、マイナーコンテストらしく、空き周波数は簡単に見つかったりします。一時、7010KHzでランニングしてしまいましたよ。

 16:00台には究極のデュアルワッチを試みた。同一バンド2波受信である。ただの同一バンド2波受信なら大したこともないが、今回は自分が送信中にもバンド内をワッチした。1Wという出力ではそれが可能だったのだ。

 マリコシャック常設のHF機に7MHzのアンテナから最も遠い14MHzのアンテナを接続し、ワッチ。自分がCQを出している間に他のCQを出している局の周波数とナンパーをコピーしておく。自分のCQに応答してくる局がいなかったのを確認してFT-817のVFO Bを回してCQを出している局に合わせて呼ぶ。交信が終わったら、すぐに自分がCQを出していたVFO Aに戻る、と。

 これは大成功で、周波数を死守しながら、県内のマルチを増やすことができた。普段はこれを2バンドでやっていたりするのだが、今回はシングルバンドでもできるという、さすが1W!

 他のバンドは全く聞かず、7MHzCWで17:09まで粘った。結構な局数ができてしまった。

7MHzSSBは

 サブ受信機でSSBを聞くと、未交信局がいたので呼んでみることにした。きっとSSBでずっとCQを出していた局なんだろう。しかし、これが大苦戦。何回も何回もコールして、やっとでフルコピーしてもらえる始末。他の局が呼んでいたら全く歯が立たなかった。さすが、1Wだ・・・7MHzSSBはほとんど実用にならないと判断し、なんとか2局をログに載せてQSYすることにした。

ローバンドタイム

 17:00はすでに回っているので3.5MHzにチャレンジしてみることにした。CWでCQを出すと、結構呼ばれた。フルサイズ逆Vはそれなりには呼ばれるらしい。ちなみに3.5MHzSSBは結局、最後まで聞くことはなかった。

 7MHzの裏ワッチも途中から始めるが、未交信局は少ない。それでもたまには未交信局がいたりするので、FT-817で3.5MHzCWでCQ、裏ワッチを7MHzCWでというスタイルで進んだ。7MHzCWにいた県内局はほぼ全てQSOできたと思うけど・・・。

 18時台後半に1.9MHzに出てみた。まず呼びに回ってみたが、これでバンドの端から端まで埋まっている。CQを出す隙間を狙うのだが、なかなか空かない。1Wなので、混信が多ければ埋もれてしまいそうだ。

 19:00になってどうにか1912KHzを確保してCQを出してみた。フルサイズ逆Vはちゃんと動作していて、それなりに呼ばれだした。しかし、自分がCQを出している上から「?」を打たれたりすることが数度あった。

 19:35JH2FXK/QRPが呼んできた。1.9MHzCWの2way 1WのQSOではないか! QSBの谷間ではノイズの間に埋もれていまい、3回聞かないとフルコピーできなかった。自分の信号もこんな風にしか飛んでいないんだろうと思うと、呼んできてくれる皆さんは非常に耳がいいんですね!

19:40に3.5MHzCWに戻ってCQを出した。それでそのまま終了。

結果

 結果とタイムチャートはこんな感じ。

FREQ QSO
point
multi

1.9MHz 22
46
18

3.5MHz 64
140
33

7MHz 134
276
52

14MHz 11
22
11

21MHz 19
38
12

28MHz 11
22
8

Total 263
544
134
72,896
しょせん1W。
それでも15時台には48QSOもしている訳で、これはこれで驚きでした。
ちなみにSSBが12QSOで、CWが残り全部という状態でした。
ハイバンドタイムは少しつらいですね。やっぱり7MHzタイムが最も効率よいです。

昨年と比較してみました。
普通に見れば、ほぼ半分のペースということになります。
パワーが1/50でペースが半分なら上出来でしょう。

ちなみに局数にx2を掛けると黄色の線になります。
自分がQRPだと得点が2倍になるので、それを反映させたもの。
さすがにマルチは2倍にならないので、
最終得点ベースでは昨年の結果には及びませんが、
実は局数得点ベースで行くと、昨年とほぼ同じという結果になりました。

シングルバンド部門等でも1WでQSOすれば得点が倍になります。
これを利用するとQRPで普通部門で上位に食い込むことができることになります。
特にQSO数に限りがある県外局部門の方!

感想

 1Wはその特性を考えて運用すれば結構QSOできる!
7MHzCWで一瞬でも呼ばれっぱなしになるんですよ!
ただし、7MHzSSBではゼンゼンダメダメ。


 QSOしていただいた皆さん、ありがとうございました。またのQSOよろしくお願いします。


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