ローカル局より受けた相談が元でした。430MHzで送信すると、UHFのTV全チャンネルにTVIが入るのだそうだ。
最近はどのお宅でもたくさんのTVをお持ちで、それぞれのTVにアンテナで受けた電波を分配しなければなりません。分配ロスを補うためにブースターを入れるのですが、これのゲインが最大になっていることが多いようです。ブースターに強いアマチュア無線の電波が飛び込むと、能動素子(トランジスタ等)の直線増幅可能領域を超えてしまいます。いわゆる歪みです。そうすると、関係のない周波数の高周波もブースター内で発生してしまい、それがTVIの原因になるようです。
初めに行う対策法は、ブースターのゲインを落とすことです。ブースターのふたを開けると、ゲイン調整ツマミがあるので、これを反時計方向に回します。すると、結構な割合でTVIが止まります。画像はそんなに悪くならないはずです。
それでも止まらない場合・・・このトラップフィルターを入れるのが有効です。
いたって簡単です。RG59A/Uをちょんぎっただけです。3C2Vでも5C2Vでも同様に製作できると思います。ただ、同軸の種類やメーカーによって短縮率が違うので、寸法はカット&トライが必要です。
![]() |
0〜1000MHzの減衰特性。 430MHz近辺に鋭いノッチがあり、 UHF-TVの周波数ではほとんど減衰していません。 |
![]() |
中心周波数+-50MHzの減衰特性。 50MHz離調すると、数dBの減衰となりますが、 中心周波数では-30dBほどの減衰が確認できます。 |
早速、ローカルさんに試してもらいました。
結果は大成功で、TVIは無事止まったそうです。メデタシメデタシ。
ご意見、ご感想はこちらまで→jg2tsl@jarl.com